金属作家グループ展 “soft heavy”
本年よりスタートしたBlend×YOMAFIG.の企画展シリーズ「RELATIONS」。第二回は4名の作家をお招きして開催致します。
作家たちの共通点は「金属」を扱う若手作家であること。
彫金、鍛金、切断、溶断、溶接、研磨、錆び付け、染め付け…
重く硬い金属というマテリアルは、4名の作家たちの手によって概念や現象といった軽く柔らかな存在をも形作ります。
本会場Blend Studioもコンクリートのようなハードな素材に柔らかさをもたせる仕上げが特徴の建築物。
作品と会場が一体となって「soft・hard、light・heavy」の4要素を行き来する本展は、視覚の曖昧性や素材への思い込みに気づかせてくれます。
展示タイトルの「soft」と「heavy」の間には各作家の自作に対する解釈を記号で入れていただきました。是非「softとheavyを繋ぐ記号」にも着目しながら鑑賞をお楽しみください。
主催:Blend Studio
企画:YOMAFIG.
大阪府大阪市此花区梅香1−24−21
「JR環状線/阪神なんば線 西九条駅」 徒歩8分
「阪神なんば線 千鳥橋駅」 徒歩4分
【作家プロフィール】
川野昌通(彫刻)
最近はその場の空間をより鮮明にすることをテーマに制作している。
私は金属への行為を通して空間を知覚した。人はある対象を知覚するとき、対象と感覚器官の間にあってそれを満たしている温度や空気中の物質の変化や振動を通して知覚しているのではないか。
金属の表情を通して、鑑賞者の空間知覚に働きかける。
桑原ひな乃(彫刻)
漁師町出身の私は、錆びた錨や繋船柱、鎖など金属製の道具を日常的に見ながら育った。モノにあるさまざまな痕跡を観察することで、そこに宿る記憶や人間の営み、時間の蓄積を感じとることができる。私の作品も、モノに宿る不可視の時間やエネルギーの可視化(彫刻化)を試みたものである。
彫刻作品では、半自動溶接機を使い、日々の記憶を刻むように溶けた鉄を少しずつ溶接し続けることで、そこに時間を集積させた。常に自分の中に積み重なっていく時や記憶というものが、他の誰かの中にも同じように蓄積され、同時にそんな人々とどこかで繋がっていたり、巡り合ったり、もつれ合うことの不思議さを意識している。
高松威(鉄立体)
鉄立体作品を制作。工芸技法を応用し、鉄の表面現象を軸に造形を展開する。
錆びて自然に還る鉄に有機的な印象を持っている。無機質でありながら有機的になれる鉄を扱い、素材/素材感の関係を試行している。
吉田ショウヘイ(金属工芸)
金属をメイン素材とし、造形をしている。
モチーフは様々で、自身の体験した夢や
詩集や文庫などから得た気になる言葉など。
柔らかい印象のものを、金属で表現することにより得られる、心地の良い空気感を探求している。
夢やことば、
時間とともに過ぎ去ってしまうものを
金属を用いて、その一瞬を切り取る。
曖昧な記憶や輪郭を、永遠のものにする。
楽しいはなし。悲しいうた。
それはわたしの、夢のつづき。